文部科学省は平成29年3月11日給付型奨学金制度の対象者を高卒認定試験、成績優秀者も対象になることを発表しました。
給付型奨学金制度とは
高等教育への進学に係る費用については、所得の多寡にかかわらず相当の額が必要とされるため、低所得世帯ほど所得に対する進学費用の割合が高く、その経済的負担が重くなっている。こうした中で、意欲と能力があるにもかかわらず、経済的事情により進学を断念せざる得ない者が存在する状況となっている。
給付型奨学金は、こうした進学を断念せざるを得ない者の進学を後押しする制度とすることを基本とすべきである。
その際、経済的に厳しい家庭の子供達が進学するに当たって、進学費用のために多額の奨学金貸与を受けるといった過度な負担を負うことがないようにすることが重要である。
要は、経済的に困窮している家庭に対して通常の奨学金とは別枠で奨学金を行うものです。
実際、経済的に困窮している家庭の大学への進学率は低く
- 年収800万~1000万家庭の大学進学率
… 54.8% - 年収200万以下家庭の大学進学率
… 28.2%
引用元
東京大学 大学経営・政策研究センター「両親年収別の高校卒業後の進路」
と約、倍の開きがあります。
これは低所得家庭では高所得家庭よりも所得に対する教育費の割合が高くなってしまい高所得家庭と比較して教育費に割けない現状があるからです。
この制度はこういった格差を埋めるものです。
以下は高卒認定試験を受験する家庭の金融ブラック、破産している割合です。
約30%が金融ブラック
※調査 ライセンススクールコーポレーション株式会社受講者対象
驚くほどに親の金融ブラックが多いのです。
上記で解説したように家庭の所得と進学率の関係が高卒認定試験対象者でも証明されているといえます。
この現実を考えると奨学金の対象者が高卒認定試験にも広がったのは非常に良いことです。
もちろん返済を行う必要はありますが、今まで経済的な面で大学や高校に進学できなかった子供が高卒認定試験と今回の奨学金制度を活用することで大学進学も可能になりました。