高卒認定は16歳以上であれば誰でも受験が出来ます。そこで疑問に思うのが
このあたりを解説します。
飛び級って出来る?
ここでいう「飛び級」とは、高卒認定資格を取得して大学に入学する、いわゆる「飛び入学」という制度のことを指します。高卒認定試験に合格して飛び入学を目指す場合、大きくわけて2種類の考え方があります。
まずひとつ目は、高卒認定の合格者が、高校卒業という学歴がないまま大学に入学したときに、飛び入学したということがあります。
ただし、この場合の飛び入学は18歳以上という年齢制限があります。これは、日本の場合、多くの大学の受験資格の中に「18歳以上」という項目が含まれているからです。
たとえば16歳の時点で高卒認定に合格した場合には、合格証書にも、18歳の誕生日より効力が生じますよ、といった旨の但し書きがついてきます。ですので、一部例外を除いて、満18歳になる年度まで大学に入学することはできません。
この一部例外にあてはまるものが、ふたつ目の飛び入学といった考え方ですね。要するに、17歳以下の高校生が高2や高3を飛ばして、大学生になることを指します。一般的に「飛び級」や「飛び入学」といった場合は、こちらをイメージする人が多いのではないでしょうか。
この場合の飛び入学にも、高卒認定試験は大きく関わってきます。なぜならば、飛び入学で大学への入学を目指す場合、受験資格として、満17歳で高卒認定試験の合格者という条件を満たしていないといけない場合もあるからです。
実際、「飛び入学」は、スポーツの才能や優秀な学力などが必要になる場合が多く、限定的なルートになるとは思いますが、高卒認定試験に合格することで、「飛び入学」という選択肢が生まれることも事実です。
ちなみに、高卒認定に合格し、飛び入学された方のなかに、スキージャンプで活躍している高梨沙羅さんがいますね。高梨沙羅さんは、日体大への飛び入学を決めたことで話題になりました。
高卒認定を活用した「飛び入学」についてまとめると、
- 17歳以下の高校生が、高卒認定試験に合格し大学に入学する
- 18歳以上の高卒の学歴をもたない人が、高卒認定試験に合格し、大学へ入学することを「飛び入学」と表現することもある。
と、いうことですね。
飛び級出来る大学ってある?
文部科学省によると、平成30年度入試の飛び入学実施大学は、
- 千葉大学(国立)文学部、理学部、工学部
- 会津大学(公立)コンピュータ理工学部
- 名城大学(私立)理工学部
- 日本体育大学(私立)体育学部
- エリザベト音楽大学(私立)音楽学部
- 東京藝術大学(国立)音楽学部
- 京都大学(国立)医学部
の7大学、9学部となっています。ちなみに、この場合の「飛び入学」は、前項の(1)に該当するパターンの「飛び入学」のことですね。限られてはいますが、飛び入学できる大学は、国公立でも私立でもあります。
ただ、実際に飛び入学が可能かどうか、どのような試験が行われるかといった募集要項は、各大学で異なっているので、詳細は受験する大学に直接問い合わせて、きちんと確認するべきでしょう。
まとめ
現状の日本の学校教育では、17歳以下の高校生の大学への飛び入学など、一部例外を除いて、「飛び級」というものは大学生になるまでは原則として認められていません。
しかし、その一部例外を実現させるためには、実は高卒認定試験が大きく関わっているのです。当然のことですが、高卒認定試験を受験する人のすべてが、飛び入学を狙っているわけではないでしょう。
大事なことは、自分が高卒認定試験を合格することでどういった道が拓けるのかを考えることです。高卒認定試験は、進学にも、就職・転職にも、資格の取得にも、もちろん飛び入学にも役立ちます。
直接的に活用しなくても、「合格したことで、今まで悩んでいた中卒の学歴コンプレックスに対して自信がもてた」という合格者のおはなしも僕はよく聞きます。
合格を機に、また違う資格の勉強をやりたくなったという方もいました。そういうお話を聞いたり、飛び級のことを考えたりすると、高卒認定試験は、自分の可能性を探るきっかけになるものなのだと思います。