文科省は平成26年2月に、高校在校中の生徒の、基礎的な学習達成度の把握を目的とした、『達成度テスト(基礎レベル)仮称』」(案)を中央教育審議会高大接続特別部会に図りました。ここでは
このような事を解説していきます。
達成度テストって何?
あまり知られていませんが、それもそのはず達成度テストはその呼び方でさえまだ確定していません。現状のよびかたとしては『達成度テスト(基礎レベル)仮称』」(案)のことです。
- 高校教育の質の向上・確保
- 生徒が自身の高校教育の基礎的学習の達成レベルを把握
- 証明することが可能
その結果を元に自信の学習意欲を促したり改善を図ることが目的のようです。活用の仕方としては次のふたつ。
- テストの結果を高等学校の指導改善に活かす事
- AO・推薦入試や就職時に基礎学力の証明や把握の方法の一つとして、その結果を大学等が用いることも可能とすること
対象者は
- 高校生の個人単位での受験又は学校単位での受験も可能。
- できるだけ多くの生徒が参加することを可能とするため、在学中に1回は受験が可能となるよう学校単位での受験の場合の支援を検討する。
試験の内容は次の通り(以下は文部科学省のホームページより)
○試験教科・科目は、当初は、以下を想定して今後検討。(※教科・科目は選択も可能)
国語・数学・外国語(英語)・地理歴史(世界史、日本史、地理)・公民(現代社会、倫理、政治・経済)、理科(物理、化学、生物、地学等)
- 英語等、一部試験は外部試験による代替も検討。
- 保健体育、芸術、家庭、情報及び専門学科の各教科の可能性も検討。
- 高校2年から3年にかけて履修させている科目も存在することから、試験の教科・科目及びその出題範囲については、実施時期を踏まえた検討が必要。
基礎的・基本的な知識・技能だけではなく、知識・技能の活用力、思考力等を測る問題も含める(その問題は学習の達成度を測るものとし、選抜的な性質のものとはしない)。また、複数の教科を融合した教科融合型問題を含めることも検討。
- 試験のレベルは高卒程度認定試験と同等程度とすることを検討。
- 全ての教科において、各生徒の多様な学習成果を評価するため、外部試験や検定の結果、各種コンクール等による評価を活用することも、達成度テストの導入と共に別途検討。
- 学習指導上、困難を抱える学校では、希望に応じてテストの部分的な活用等の工夫を行う。また、国・地方自治体においては、学び直しへの支援などを強化する。
各学校・生徒に対し、成績を段階で表示するとともに、各問題の正誤や各自の正答率等も併せて表示。試験形式は
- マークシートを原則としつつ、一部記述式の可能性も検討。
(※試験形態は、試験内容、実施体制等を勘案。CBTは発展レベルのテストと併せて検討。)- 高校2年及び高校3年の受検を可能とすること、各年2~3回程度の実施を検討。(※可能な限り受検可能な機会を増やすこととし、高1からの受検も可能とするかも検討。)
- 年間の実施時期については学校現場の意見等を聴取しながら更に検討。(※高卒程度認定試験は8月、11月に実施)
- 実施場所は、高校単位の受検の場合は高校で、個人の受検者のためには都道府県毎に会場を設ける方向で検討。
どう高卒認定と関係あるの?
色々検討の余地があるようですが、これも 文部科学省のホームページには「高等学校卒業程度認定試験と統合する方向も含めて検討。」と記載がありました。
まとめ
今回の大掛かりな改革は、試験制度や入試の在り方まで変えようとするものです。長年続いた試験制度を変えるとなると実施までにかなりの試行が必要かと思います。
現段階ではまったく不透明にも思えますが、云わば衣替えをする時機になったと思えばいいのかもしれません。試験科目で言うのであれば、
- 英語等、一部試験は外部試験による代替も検討。
- 保健体育、芸術、家庭、情報及び専門学科の各教科の可能性も検討。
或いは試験形式もマークシートを原則としつつ、一部記述式の可能性も検討。
高卒認定試験の受験科目が増える可能性や記述式に変わることも予想されます。受験をする側から考えれば今が時機かも。