物質の変化について、問3〜6に答えよ。
解答 D
解説
アの滴定曲線は塩基を10 mL加えたときにpHが急激に変化しているので中和に要した塩基の体積は酸と同じ10mLであり、中和滴定に用いた酸と塩基は価数が等しいことがわかる。また、中和点がpH7であるので強酸を強塩基で滴定したことがわかる。したがって中和滴定に用いた酸と塩基の組み合わせは塩酸と水酸化ナトリウム水溶液である。一方、イの滴定曲線は10mL加えたときにpHが急激に変化しているので中和に要した塩基の体積はアと同様に酸と同じ10mLであり、中和滴定に用いた酸と塩基は価数が等しいことがわかる。また、中和点はpH9であり塩基性側にあるので弱酸を強塩基で滴定したことがわかる。したがって、中和滴定に用いた酸と塩基の組み合わせは酢酸水溶液と水酸化ナトリウム水溶液である。したがって、答えはDである。
これだけは押さえよう!!
滴定曲線…中和滴定において加えた塩基または酸の水溶液の体積と混合水溶液のpHの変化を表した曲線
<強酸・強塩基による中和滴定>
・中和点はpH7
・指示薬はフェノールフタレイン(変色域pH8.0〜9.8)、メチルオレンジ(変色域pH3.1〜4.1)、ブロモチモールブルー(変色域pH6.0〜7.6)のどれを用いてもよい
<強酸・弱塩基による中和滴定>
・生成する塩が加水分解し、中和点が酸性側にずれる
・指示薬はメチルオレンジ(変色域pH3.1〜4.1)が適当
<弱酸・強塩基による中和滴定>
・生成する塩が加水分解し、中和点が塩基性側にずれる
・指示薬はフェノールフタレイン(変色域pH8.0〜9.8)が適当
<弱酸・弱塩基による中和滴定>
・中和点はpH7
・中和点付近のpHの変化が小さいため、指示薬による判定は難しい
解答 @
解説
@〜Dのイオンや化合物中の各原子の酸化数は
@ MnO4− AH2SO4 BK2Cr2O7 CNO3− DCO2
+7 −2 +1 +6 −2 +1 +6 −2 +5 −2 +4 −2
である。したがって、最も酸化数が最も大きな原子はマンガンMnであるので答えは@である。
これだけは押さえよう!!
<酸化・還元の定義>
酸化数…化合物を構成している原子が電気的に中性なとき(正の電荷も負の電荷も帯びていないとき)に比べて何個余分に電子を所有しているかあるいは不足しているかを数値を用いて表したもの
酸化剤…酸化還元反応において相手の物質を酸化する物質(自分自身は還元される)
還元剤…酸化還元反応において相手の物質を還元する物質(自分自身は酸化される)
解答 C
解説
電池ではイオン化傾向の大きな金属が負極となりで負極では酸化反応が起こる。一方、イオン化傾向の小さな金属は正極となり正極では還元反応が起こる。したがって、ダニエル電池では亜鉛Znと銅Cuが極板に用いられているが銅Cuよりも亜鉛Znの方がイオン化傾向が大きいので亜鉛Znが負極となる。ダニエル電池の両極で起こるイオン反応式より亜鉛Zn 1molがイオンとなる時および銅イオンCu2+1molが銅Cuになる時には電子が2mol移動するので、電池から0.20 molの電子が流れると銅Cuは0.20×1/2=0.10 mol析出する。したがって析出する銅Cuの質量は64×0.10=6.4 gとなる。したがって答えはCとなる。
これだけは押さえよう!!
電池…酸化還元反応によって生じるエネルギーを電気エネルギーとして取り出す装置
電池ではイオン化傾向の大きな方が負極(酸化反応が起こる)、イオン化傾向の小さな方が正極(還元反応が起こる)となる。
ダニエル電池 (−)Zn|ZnSO4aq|CuSO4aq|Cu(+)
(特徴)分極を生じない
解答 B
解説
両電極には白金Ptが用いられているので水素よりもイオン化傾向の小さな金属イオンが電解質溶液含まれていると陰極では金属の単体が析出しそれ以外の場合は水素が発生する。一方、陽極では電解質中にハロゲン化物イオンが含まれている場合はハロゲンが、それ以外の場合は酸素が発生する。したがって、陽極に酸素、陰極に水素が発生するものはBである。
これだけは押さえよう!!
電気分解…電池が生み出す電気エネルギーの力を借りて極めて起こりにくい酸化還元反応を起こすこと
電気分解ではイオン化傾向の大きな方が陽極(酸化反応を無理やり起こす)、イオン化傾向の小さな方が陰極(還元反応を無理やり起こす)となる。
陽極では電解質溶液や極板に含まれる元素やイオンの種類に応じて、優先順位の高い方から順に
・金属が陽イオンになる
・ハロゲン化物イオンが単体になる
・水酸化物イオンが酸素になる
の反応が、陰極では電解質溶液や極板に含まれる元素やイオンの種類に応じて、水素を発生させるかあるいは金属の単体の析出を起こす。