物質の構成について、問1〜3に答えよ。
解答 D
解説
セラミックスは天然のケイ酸塩を人為的な熱処理によって焼き固めることにより作られる固体材料で古くからレンガとして広く利用されてきたという歴史がある。硬くて耐熱性に優れ、腐食しにくいなどの利点を持つが、割れやすいという欠点もある。近年では、エレクトロニクス産業をはじめ、各産業の用途に応じた目的の機能を十分に発現させるために人工材料を原料として化学組成や形状、製造工程などを精密に制御して製造し、セラミックスに新しい機能や特性を持たせたファインセラミックスと呼ばれる新たな製品が包丁や皮むき器の刃物などに利用されている。したがって答えはDである。なお、ステンドグラスは様々な色のガラス片を鉛や黄銅などの細い枠に挟んで文様や図像を表したものである。ジュラルミンアルミニウムを主として銅、マンガン、マグネシウムなどが混ざった合金である。
これだけは押さえよう!!
・セラミックス…天然のケイ酸塩を人為的な熱処理によって焼き固めることにより作られる固体材料
・ファインセラミックス…セラミックスのうち化学組成や形状、製造工程を精密に制御 し、新しい機能や特性を持たせたもの
・ジュラルミン…アルミニウムを主として銅、マンガン、マグネシウムなどが混ざった合金
解説
問1.B
アの水溶液に硝酸銀AgNO3水溶液を加えて白色沈殿を生じるのは塩化銀のAgClの白色沈殿を生じたからである。このことから水溶液中に塩化物イオンCl−が生じていることが分かる。イの水溶液を白金線の先につけると炎の色が黄色の色になったというのは水溶液中にナトリウムイオンNa+が含まれていたからである。したがってアには塩素Clが、イにはナトリウムNaが元素として含まれているので答えはBである。
これだけは押さえよう!!
<物質に含まれている成分元素の確認方法>
炭素の検出法
加熱・燃焼させて生じた物質を石灰水に通じて白濁する
水素の検出
加熱・燃焼させて生じた物質を硫酸銅(U)無水塩CuSO4に加えると硫酸銅(U)無水塩CuSO4が白色から青色に変色する
塩素の検出
硝酸銀AgNO3水溶液を加えて白濁する
炎色反応を示す元素の検出
水溶液中に含まれる元素の種類によって炎の色が変化する
<炎色反応を示す元素とその色>
Li | Na | K | Cu | Ca | Sr | Ba |
赤 | 黄 | 赤紫 | 青緑 | 橙赤 | 紅(赤) | 黄緑 |
【覚え方】リアカーなきK村 動力 借りるとするも くれない馬力でいこう
解説
問1.A
原子は原子番号と同じ数だけの陽子と電子を持っており、原子中の電子は一定の規則に従って原子内をいくつかの層(電子殻)に分かれて運動している。原子中の電子は基本的には、電子殻の定員に従いながら原子核に近い最も内側の電子殻(K殻)から順に配置され、原子核に最も近い、内側のK殻の定員は2個、L殻は8個、M殻は18個…というように2n2のnに原子核から数えて何番目の電子殻にあるかという数字をnに代入した値が各電子殻の定員になる。したがって、電子殻の定員に従いながら基本的には内側の電子殻から電子を入れていくという規則にしたがってア〜オの各原子の電子配置について考えるとアはK殻に2個、イはK殻に2個、L殻に5個、ウはK殻に2個、L殻に6個、エはK殻に2個、L殻に8個、オはK殻に2個、L殻に8個、M殻に1個の電子が入る。問題では原子中の最外殻電子で他の原子との反応などに関与する価電子の数について問われており、価電子数は希ガス元素の原子では価電子が他の化学反応に関与しないので0、それ以外の原子では原子中の最外殻電子の数が価電子数となる。したがって、アは希ガスであるので0、イは5、ウは6、エは希ガスであるので0、オは1であるので答えはAである。
これだけは押さえよう!!
原子を構成する粒子の間には次の関係が成り立つ
[ 原子番号=陽子の数=電子の数 ]
<記号を用いた原子の構造の書き表し方>
(例)ヘリウム原子
※なお、原子番号は書かずに省略することがある
<電子配置のルール>
・電子殻の定員を守る
・基本的には内側の電子殻から電子を配置する
価電子:原子が他の原子と結合する時に重要な役割を果たす電子で、一般には最も外側の電子殻に存在する電子のことをいう
価電子数:原子中に存在する電子のうち最も外側の電子殻に存在する電子の数のことで、原子の最外殻の電子殻に定員の数だけ電子がつまった閉殻のものや、電子が8個つまった原子(希ガス)は安定であり、反応に関与しないため価電子数を0とするという取り決めがある。