少年院から進学する為に高卒認定を どうやって受ける?受験対策は?

若林さん、私の友達少年院に行っちゃった・・・

花子ちゃん見た目と違って悪い友達いるんだね・・・

そんなことないですよ。それより少年院から進学って出来ないんですか?

そんなことないよ。高卒認定試験を少年院で受験できるよ

本当ですか!!!

少年院から更生し進学を考える場合高卒認定は有効です。

  • どうやって受験するの?
  • 対策勉強はどうする?少年院の学習環境は?

このような事を解説していきます。

どうやって受験するの?

文部科学省と法務省より、2007年(平成19年)から高卒認定の受験希望者のいる少年院などで、高卒認定試験を実施するとの発表がありました。

これにより、高卒認定試験はより受験しやすくなったと言えます。と言うのも、この発表があるまでは、少年院にいる人が受験を希望した場合、各都道府県に設けられている一般会場に施設の職員が付き添っていくか、教育委員会から試験監督者を派遣してもらい受験を行うというスタイルでした。

しかし、この方法では、人手の問題で受験できない人もいたそうです。そこで、上記の発表です。高卒認定の試験監督者のマニュアルを少年院などにも配布し、受験希望者がいた場合に施設の職員が監督を務めて、高卒認定試験を少年院の施設内で行えることとなりました。

以前の実施方法では、高卒認定の受験者は年間十数名程度でしたが、施設内で試験が実施されるようになってからは、受験者数も増え、平成26年度は男女合わせて927名が矯正施設から高卒認定試験を受験しています。

高卒認定対策勉強はどうする?少年院の学習環境は?

少年院とは、非行を犯した少年、少女が社会復帰するための矯正教育を受ける矯正施設です。16歳以上であれば、基本的に職業訓練が課せられるようです。

ほかにも、矯正教育としてのロールプレイングや体育、読書などの多くの日課が課せられます。このように、学校とは違いますので学業中心のカリキュラムが組まれているわけではなく、進学に向けて学習環境が十分整っているとは言い難いでしょう。

しかし、法務省のある会議では、高卒認定は、就職、資格取得にも活用できるものであるため、高卒認定試験のさらなる指導の充実が望まれることなどが指摘され、高認資格取得の実施体制を強化するよう進められています。

また、高卒認定の対策勉強は少年院では本の差し入れが許可されているので、例えば高卒認定試験対策のテキストや参考書を差し入れするという手段もあるでしょう。

ただ、どんな本でも自由に差し入れできるのかと言えばそうではありませんので、このような手段を考えるときは、各少年院へ直接問い合わせて確認してみるべきでしょう。

まとめ

少年院にいる人にとって高卒認定試験を受験し、高認資格を取得することは、職業訓練だけでは身につけることができない「学歴」という部分を補ううえで重要なものとなります。

高卒認定資格は実際に「高校卒業」とはなりませんが、「高校卒業と同等」ということで就職、進学、資格の取得の高卒の募集要項を問題なく満たすものです。少年院に入るものは、原則20歳未満の人であり、また、前科は残りません。

つまり、年齢的なことを考えても、まだまだ進学や就職で社会復帰して、その後活躍することが十分可能だということです。高卒認定資格は、そのきっかけとなるような側面も持っています。この先の道を切り拓いていくためにも、ぜひ活用してもらいたい資格です。